東京の片隅 細い路地
古いアパートの2階に
探していた人は
暮らしていた
ドアの前に立っても
ノックができず
会わないまま 帰ってきた
そう遠くない先に 私はまた
このアパートを訪れ
そしてまた ドアをノックできずに
帰っていくだろう
何度も 何度も
その窓を振り返りながら
探していた人は そんな私を知らずに
今日を生きている
自分の思い知らないところで
誰かが自分を
気にかけている
そんな風にできている世界が
不思議だと思った
例えそれが 相手に伝わることなく
死ぬまで交差しなくても
ABOUT ME