夜20時
今日の仕事を終えて 自分のデスクへ戻る
イスに座って
ゆっくり 背もたれに寄りかかる
照明を落としたオフィス
小さなため息
窓から見える夜景は
高層ビルに いくつもの光
まだ働いている人が たくさんいる
誰もいないと思っていたのに
君が書庫の前 背を向けて立っていた
物音に振り返り
私をじっと見る
コーヒーを淹れるよ
それとも 甘いのがいい?
いい香り
カップを渡しながら
屋上へ行ったことある?
君について 階段を上がり
重い扉を開けると
頭上に広がる夜空
胸いっぱいに 空気を吸い込む
君との夜 思いがけない時間が
私の心を ゆっくり溶かしていく
ただ 黙って前を見ている君と 私と
そうしながら 今日が終わっていく
悪くない きっと
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