階段を先に降り出した君へ
かける言葉を 探しているうちに
君の靴音は
どんどん遠のいた
急に音が途切れた 静けさの中
遠くでサイレンが鳴った
君の後を 追うことをやめ
踊り場の窓から 暮れゆく街並みを眺めていたら
もうあの部屋に君は 帰らないんだと
待っていないんだと
悲しくなった
終わらない今日が あるわけもなく
夜は静かに
足元までたどり着いて
時間は流れの速さを 変えないまま
過ぎてゆく
何度ここに来たとしても
君とはもう会えないのだろうと思っていた
ABOUT ME