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考えごと

ひとつだけの鍵

退職して1年が過ぎた

毎日をどう暮らしてきたのか

自分でもずいぶん のんびりしたと思う

この1年 たくさんの時間の中で

私は泣いてばかりいた

出かけるのは図書館と

夕方の散歩

話し相手のいない日常

引っ越しを計画している

帰る場所を 自分で作ろうと思う

実家を手放したことは

現実のような感じはしないけれど

現実なのだろう

そこにはもう 別の人の暮らしがある

毎月帰省の予定を組んでいた

そんな日常は

ぱたりと終わった

惜しむぐらいが ちょうどよいのかもしれない

キーケースにあった 実家の鍵は外され

この部屋の鍵だけが ひとつ

残った

ABOUT ME
lily
空想を言葉に。いつか会う人を思いながら。

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