G-J0DDFGRNC8
ひとりで見る景色は

雨の待合室

夜更けに

背中の痛みで目が覚める

明け方には 治まったように思えるが

食事をすると再び

背中に痛みを感じる

そんな状態が3日ほど続き

周囲の勧めもあって 受診することにした

近くの医院で診察してもらうと

地元の少し大きめの病院で

検査をするようにと 紹介状が出た

午後の予約となる

朝は晴れて太陽が出ていたのに

お昼過ぎに雨が降り出した

徐々に風も強くなり 悪天候

少し大きめの病院に着く頃には

雨と風はさらに強まり

傘を差していても 足元は濡れていく

駐車場から病院入口まで足早に

水たまりをよけながら行く

午後ということもあるのか 病院内に

人影は少ない

窓口で紹介状を差し出し案内を受ける

この病院は 今年度末で

閉鎖するそうだ

検査の待合室には 私しかいない

茶色い革張りのイスが ずらりと並ぶ

四角い白壁の部屋に

私ひとり

がらんとしている

大きな窓ガラスの向こうは 降り続く雨が

風によってその線を変える

待合室は 人の動きもなく

音のない空気

名前を呼ばれて検査室に入る

ABOUT ME
lily
空想を言葉に。いつか会う人を思いながら。

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