G-J0DDFGRNC8
自由詩

探していた人

東京の片隅 細い路地

古いアパートの2階に

探していた人は

暮らしていた

ドアの前に立っても

ノックができず

会わないまま 帰ってきた

そう遠くない先に 私はまた

このアパートを訪れ

そしてまた ドアをノックできずに

帰っていくだろう

何度も 何度も

その窓を振り返りながら

探していた人は そんな私を知らずに

今日を生きている

自分の思い知らないところで

誰かが自分を

気にかけている

そんな風にできている世界が

不思議だと思った

例えそれが 相手に伝わることなく

死ぬまで交差しなくても

ABOUT ME
lily
空想を言葉に。いつか会う人を思いながら。

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