踏切の警報機
足を止め
電車が通り過ぎるのを待つ
強い風が髪を揺らして
音が止み バーが上がると
人々は一斉に歩き出す
ひとつめの角を曲がると 美しく朽ちた家
古い軒先に 雨のしずく
傘にあたって跳ね 小さな音を立てる
時間が止まっているみたい
見上げた私の鼻先にも 雨のしずく
次の角を曲がると
どこへ抜け出るのだろう
方角がわからなくなって 迷い込んだ
空の色が 少しずつ明るくなり
雨が止んでしまいそう
私にはまだ わからないことがある
歩きながら 考え続ける
どっちに曲がっても たどり着けないまま
ゆっくりの歩調で また次の角を曲がる
ABOUT ME